作品説明文があると良い理由が分かると書きやすくなる
「作品紹介文が書けない。」
悩まれる方が多いので、書き方をまとめようと思ったのですが、書き方については過去に散々書いています。
→作品紹介が書けないのは作品がわからないからです。
→【上級者向け】作品紹介文中に忍ばせる知られるための技
→売れるハンドメイド作品紹介文の重要ポイント≪What(なにを)、Why(なぜ)、Who(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、How(どのように)≫
などなど…
なので、今回は視点を変えて、「そもそも、作品紹介文って何で必要なの?」という切り口で『書き方』をまとめていきます。
価格
その価格である理由が伝わっているか?
作品紹介文は、“伝えたいことを伝える場”
もし、出品する項目で、作品写真とスペック(色やサイズ)しか見せられなかったら、物足りないと思うんです。「こういうことを伝えたいのに。」「こういうことを知ってもらいたいのに。」そんな不満が出てくるんじゃないでしょうか。
だからね。文章だからってかしこまらずに、そういう『伝えたい』『知ってもらいたい』ことを書けばイイわけです。慣れないうちは箇条書き。だって書かなければわかってもらえませんからね。書かないよりはいい。そして人が不快に思わない言葉使いであれば大丈夫です。
で、困ったことに、何を『伝えたい』『知ってもらいたい』か、分からない。と言う問題が出てきます。会話だと、相手の疑問が投げかけられるので答えになるわけですが、文章だと、相手の疑問が無いから、自分で答えを出しておかなければいけません。
そこで、悩まず書きやすい作品紹介文の内容は、“価格の裏付け”です。
なぜ、その価格になったのか?
素材に理由がある?製作工程の手間、資格も含め特殊な技術/技法を使っている?たぐいまれなセンスを堪能できる? 「ハンドメイドって材料の合計金額だけで、手間ヒマ時間をわかってくれない」とついつい出てしまう愚痴がありますが、その“手間ヒマ時間”を『伝えたい』『知ってもらいたい』にすればいいんです。「説明してもわかってもらえない」なんてハナから決めつけず、まずが書いてみること。様子を見て書き直して、ブラッシュアップさせていけばいいんです。公にしてみましょう。
裏付け(素材)
素材に理由がある?こういう素材だから価格が高くなっちゃうのはどんなこと?

- 海外から取り寄せてて…
- まだ日本未発売で…
- 蚤の市で見つけたビンテージ/アンティーク物…
- 限られた人しか買えない仕入れ先から…
- 作ってくれる職人さんが…
などなど、素材に価値があるのに、そこを伝えないままになっていませんか?
全部でなくても、一部分だけでも、どうしてもこだわって、「ここはこれじゃなきゃダメ」と探し回った背景がある。なども『伝えたい』『知ってもらいたい』ことですよね。
素材自体の価値はもちろんですが、その素材を買ったのが身近な素材屋さんだったとしても、背景にある想いやコダワリは価値です。
それを読んだお客さまが、価格に見合う価値と感じてくれれば、購入してくださいます。
価値は、物自体だけではありません。
気持ちに触れる。琴線に触れる。ことがお買い物のポイントになります。
物としての価値を伝えること。だけではなく、物の背景にある想いやコダワリも忘れずに書いて『伝える』『知られる』ようにしましょう。
自分の当たり前は、人にとっては当たり前じゃない。
裏付け(製作工程/技術/資格)
使ってる?製作工程の手間、資格も含め特殊な技術/技法

「知られたくないけれど、他の人とは違う作り方だからこそのクオリティ。」「勉強して努力して取得した資格を信用してほしい。」
思っている割には、「見てわかって欲しい。」と期待しがちな部分が、製作工程や技術、資格です。
いつも思うんですが、超能力者でもない限り、説明もなくわからないし、コンサルしていて多くの作家さんを見てきている私だって聞かないとわからないです。とは言え、製作工程や技術はマネされたくないから秘めておきたい気持ちもありますし、資格をアピールするのも、「どうだ凄いだろう」と高慢に見られたくなくて抵抗がある。
ただ、見ただけではわかりにくいからこそ、『製作工程/技術/資格』は、『伝える』『知ってもらう』にしないと、分かってもらえないんです。
そして、分かってもらえるからこそ、『納得の価格』として、購入の抵抗が低くなる。
ハンドメイド品の値段って、ピンからキリまでふり幅が広い。そして、世間一般的に安いイメージもある。作家自らもそのイメージに寄ってしまって、値付けの段階で「高くなっちゃうんです。」って、悩んでしまう。それっておかしくないですか?
「高くなっちゃう」のなら、「高くなっちゃう」理由を説明すべき。それが作品紹介文に書いていいことであり、書くべきこと。
「見ればわかってもらえる。」それが自分の想いでなく、誤解でわかってもらえても、嬉しくないですよね。 製作工程や技術は書ける範囲で書く。資格を謙虚に伝える。語彙力は書かないと増えません。
裏付け(センス)
たぐいまれなセンスに惚れて欲しい。人の作品紹介文

素材も、製作工程も、技術も、資格も、特別なことは無いけれど、チョイスや組み合わせを楽しんでもらいたい。センスに価値を感じて欲しい。
それもハンドメイドの大切なポイントです。個性や世界観、ストーリー性ですね。
「パーツ買ってきて繋げただけじゃん。」なんて言われることもあり、そこに後ろめたさを感じたり、イベントで目の前で言われてショックを受けたり…。そんなお悩みを聞くこともあります。
私みたいな不器用で作れない人間からしたら、イメージしたチョイスや組み合わせを、実現させることができるのはスゴイことです。だから、お客さま層次第なので、自信を失うことはありません。
センスに自信を持ち、センスの価値を『伝える』『知ってもらえる』ようにすることが必要。
そのためには、
Q→どうしてそのチョイスにしたのか?なぜその組み合わせを考えたのか?
A→「なんとなく…。」ではなく、自分の中に必ずある理由。
「なんとなく…。」で終わらせるのではなく、理由を恥ずかしがらずにオープンにする。まずは箇条書きでもイイ。単語でもイイ。アウトプットする。それから文章にしていく。
面倒臭がらず、分析すること。そして、面倒くさがらず、書き出すこと。 理由を知るから、欲しくなる。それがハンドメイドの販売方法であり、良さです。
言葉使い
不快を与えない言葉遣いはもちろんだけど、マイナスワードに気を付ける

文章を書くと身構えてしまいますが、人に不快を与えない言葉使いであれば問題はありません。なれなれしすぎず、かたっ苦しくならず、適度に親近感があり、「です。ます。」調で書かれている。
そんな文章がイイですね。
って、それが難しいんですよね…
私は、「電話だと感じないのに、メールだと文面が硬すぎる。怖そう。」と注意をされたことがあります。そうは言われても、塩梅がわからなくて、悩みました。
大卒で入社した会社で身に付いたことなので、もはやそれが基盤。どうすれば緩くなるのか、いまだに試行錯誤をしています。
(相手との関係にもよりますが)顔文字(^^)を入れる。とか、文章全体の中で、硬い文章と柔らかい文章の抑揚(メリハリ)を付ける。とか、やってます。
ただ、気を付けなければいけないのは、マイナスワード。
文字のごとく、あまりよろしくない言葉使いです。
「色を入れるのが難しく、シミのように見えますが色ムラではありません。」ではなく、「特殊な色入れにより、部分的なグラデーションが特徴です。」の方が魅力的です。 言葉を変換するのは、考えなければいけないので大変です。ですが、それが売れるために伝える言葉の使い方。欠点が美点にもなるので、是非やってみてくださいね。